祝祭空間へようこそ「踊る昭和歌謡-リズムからみる大衆音楽」

「踊る昭和歌謡-リズムからみる大衆音楽」輪島祐介/NHK出版新書

 

読み中。鑑賞音楽に対し「踊る」という形でオーディエンスが参加する音楽=大衆音楽として定義付け、そこから昭和歌謡をみていく。

ラテンミュージックが外来音楽の歌謡化に大きく関与、ニューリズム等、今の自分の関心事にドンピシャで、前書き読んだだけでそうだそうだ!で満足気味w

「音によって定義される祝祭的な空間への参加」等、ジャニーズはこれ読んどけ!みたいなフレーズ。本文は特に大上段にフカすところもなく昭和歌謡史を踊りの観点でマンボからパラパラまで丁寧になぞっている。ゆっくり読みたい。

 

著者がアフロ・ブラジル音楽研究の方であることでジャズ・ロック優位の輸入音楽受容史を相対化する視点、Twitterで拝見したのだが大野一雄研究所のパラパラシンポ参加が執筆のきっかけのひとつ等、とにかくツボだらけ。

嵐ヲタクとしては今日本で有数の参加型音楽祝祭空間であるジャニーズのコンサートについても聞いてみたい。だって今ユーロビートやパラパラで踊ってる人たちってタッキー&翼やV6のオーディエンスじゃない?

 

お祭りマンボからラテン、HOUSEからTRAPまで踊っちゃうジャニコンとお客。

 

ユーロビートが日本的土着として定着しつつあるモデルとして岐阜で「ダンシング・ヒーロー」が盆踊りになっているという話で、千葉北西部等各地で見られるボニー・Mの「バハマ・ママ音頭」を思い出した。

ボニー・Mもヨーロッパディスコだけどカリブやアフリカの人を連れて来て作られたエキゾチカだ。

バハマ・ママ音頭は竹の子族風なオリジナルな振り付けでクックロビン音頭みたいにかけっこ足で周り「ソレソレソレソレ」とヤンキーくさい掛け声が入るのと、炭坑節の振り付けで踊るパターンがある。後者の方が絶対的にかっこいいと思うのだが、どうか。

(後日「ダンシングヒーロー音頭」をyoutubeで見た。バハマママ音頭が70年代の和製ソウルダンス風の横揺れステップ+手振りで櫓の周りを回転するのに対し、こっちはやっぱりパラパラで縦ノリアップを取りながらサイドステップで櫓の方を向いて踊るのに時代の違いを感じた。ヲタ芸みたいな振りも。)

[以上、2015年2月16日のTwitterより加筆修正]

 

兎に角、「音によって定義される祝祭的な空間への参加」というフレーズが私は大変気に入った。

これから嵐のコンサートを「音とダンスによって定義される祝祭的な空間−Discoへの参加を呼びかけるもの」としてみればいいのだと単純に思った。