読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Japonismコンサート感想:藤島グループによる喜多川ジャニーズイズムの展開と継承(前編)

Japonism

(2015年11月7日、名古屋ドーム公演)

まずはじめに一言でいうと、大変面白く見応えのあるコンサートだった。2012年の嵐ツアーPopcorn以来の楽しさと発見があった。

私はジャニーズでは嵐のコンサートにしか行かないので、嵐が今回原点としていると思われるジャニー喜多川さん原作・監修による舞台、Kyo to Kyoからジャニーズワールド、ドリームボーイズなどを劇場で見ている方とはまた感じ方が違うと思う。喜多川舞台を知らぬ身からすれば「私だってここまでおじさまの育ててきたものを生かして、ドームで花開かせられるのよ」という藤島ジュリーさんの声が聞こえてくるようであった。それが正しいかそうでないかはさておき。

パンフレットは未読、MC等なし、コンサート演出を見た上でのJaponism各曲感想という感じです。記憶違いや間違いは順次訂正していきたいと思います

 

会場

入場して目に入るのが4本の大きな赤い柱。ただの円柱ではなく金沢駅の鼓門の柱のように鼓を縦に伸ばしたような、紐を回転させたような形状。

柱の間、メインステージ中央に上方から白い掛け幕が吊ってある。中央にJaponismの文字、メンバーカラー?を縁に施す(ちょっと五節句や四方神のような趣)
中央、上手と下手に赤い花道。会場入りした途端、わー歌舞伎や芝居小屋みたいという印象。

 

Overture

Japonismの幕が振り落とされメインステージのスクリーンが現れる。

青年達がタイムスリップし室町時代ごろ?の先祖に会い今を問うような内容の疾走感溢れるアニメーション(製作はA-1 Picturesだそう)
クールジャパン、アニメ・ジャポニスムという言葉が頭をよぎる。
だがいわゆるジャパニメーションのようにヒーローが戦う題材のアニメではなく、普通の青年である嵐の5人が日常から時間を遡り過去の自分と日本を幻のようにかいま見、「今をどう生きる」と問いかける形になっているのが現代的。

 

1.Sakura 
アルバムオープニングでもあるとはいえ大変ドラマティックな曲ときついダンスのため、しょっぱなからコレやっちゃうの?大丈夫なの?と驚くが後に続く時代絵巻クライマックスを考えれば、日常生活からの夢想というOvertureアニメからこの少々現代的、悲壮的でありながら時を超えた輪廻転生や復活を思わせる曲につなぐのは今思えば良い構成だと思う。とても強い曲なのでこれを後のクライマックスに持ってくると今回のテーマや他の曲がブレて中途半端になってしまう。ちなみに宮城BlastではこのSakuraがクライマックスにあり大変印象的だった。今回は原点回帰の原初における生まれ変わりの姿として花びらが舞い落ちて水に流れ、またどこかで花開くであろう様を踊っているように見えた。コンサート始まりゆえ鬼気迫るような全力投球ではないがひらひらと程よく力の抜けた美しさ。

 

口上
激しいダンスの後暗転して5人がステージに横並びに。一人一人にスポットが当たり年齢順にJaponismの世界へようこそ的な口上を述べていく。

最後は歌舞伎風に「隅から隅までずずずいっと」正座してお辞儀「お楽しみくださりましょう」拍子木で柝頭が打たれてJaponism本編の始まり。

 

2.miyabi-night 
自分的予想でオープニングだった曲。ステージにバックダンサーであるJr.が現れ、太鼓や三味線の音、スクリーンには四季折々の豪華絢爛絵巻で一気に華やかに。

しかしSakuraの疲れか汗びっしょりの姿にはらはらして肝心な曲自体を正直あまり覚えていない。
これからご覧になる方はぜひ気楽に豪華なたりらりらーを楽しんでいただきたい。
なにはなくともジャポニズムで四季は進み四つ打ちのリズムは太鼓の音になり響き、時は進む。

 

3.ワイルド アット ハート
4.Troublemaker
メインステージからセンターステージに移動
和バージョン。始めにちょっとしたアクセントダンスっぽいものが入る。これも和で。
ここまで序盤でいつものコンサートにつきもののシリアスなダンスナンバー、アクセントダンス、を使い切ってしまうところが興味深い。

 

5.青空の下、キミのとなり
バックステージに移動後、高くせり上がったステージで踊る。

Sakuraもこの曲もJaponism収録のシングルナンバーはどちらも大好きで、特にこの曲は私にとってピカンチダブル→kageroを経て到達した30代嵐のエヴァーグリーンであり、宮城Blastで空に溶けていく歌声に涙したものである。作り込まれた舞台装置のドームの中で聴くとまた趣は違うがやはりいい。評判の悪いダンスもひっくるめて全てが愛おしい。この曲の第一印象が実は「遥か遥か昔に聞いたフォーリーブスの新しい冒険に似ている」であったので、私としてはJaponismにおける最古で最強力で懐かしい音響的ジャニーズイズムをまとった曲でもある。
ダンスが疲れてへろってても気にしない!

 

[挨拶]いつもの感じ。シャッフルなし。

 
6.Make a wish 
通常盤を一度しか聞いていなかったので一瞬なんの曲か分からず焦る。
いい曲です。爽やかにお手振り。このときバックステージからムビステでメインに戻るのだが防振双眼鏡に映っていたのは両手にうちわを抱え満面の笑みで叫びながらムビステ下に飲み込まれていくアリーナ席の男性であった…ほんと嬉しそうだった。
 
7.MUSIC
二宮和也ソロ。挑戦→タップダンス。ふわふわの白いシャツを着てタッップする度にステージの床に様々な色と模様が映し出される。多分メンカラーなのかな?二宮自身の黄色になるとキュッキュッという子供のサンダルのような音になり、それに合わせておどけたフリをしたり可愛らしい。曲を聴いたときは80年代の跳ねるような高音を巧みに生かしたガールズポップ(The Go-Go’sとか)ぽく感じ、カラフルな衣装で賑やかにJr.を従えて踊ると思っていたがパントマイムの様相で小芝居が光る。ステッキ代わりにライトセーバー風の棒。上方カメラが真上からステージ床の模様とダンスを映し出してミュージカル映画のよう。曲が進むにつれスクリーンにダンスダンスレボリューション風のコンボ画面が映り、ゲーム文化が伝えるジャポニズムを感じさせる。
 
8.Don't you love me?
松本潤ソロ。挑戦→パルクール。ミュージカルぽさが続き前半はJr.と歌い踊っていたのが後半急にいかつい人が現れて追いつ追われつのアクションへ。この挑戦はスタッフからの提案で、最初できるようになるまで1年半見ておいてくださいと言われたが3ヶ月で仕上げたとか(8日MCより)。曲はゴージャスなフュージョン系のバックにちょっと前のめりにアクセントが入る歌い方のヴォーカルが乗ってアイドル全盛期の豪華で洒落た曲を思わせる。セット仕立ての派手なアクションの世界は全然関係ないが刑事ヨロシクを思い出した。追っ手から逃れ、メインステージの部屋にたどり着きソファーに倒れこんでジ・エンド。 
 
9.イン・ザ・ルーム 
倒れこんでジ・エンドかと思いきや5人の男たちがそれぞれの部屋でソファーに座っていた。松本ソロからの流れで青ズボンに白シャツ。倒れこむ松本、歌い出しの二宮がスポットライトで映し出される。うーんうーんこれはLoveコンサートの「モノクロ」リベンジか?とワクワクするかっこよい仕掛け。それぞれのソファーの横には衣装かけのポールがあってそこから上着を取り着込んだりラップするさまにスポットライト。こっちはPopcornの松本ソロの5人版のようでもある。
私が一人で思っているだけかもしれないが、最近はツアー途中での修正が少なくなり、企画時点で以前の演出や曲を根本からブラッシュアップしたものを次回以降のコンサートで見せてくることが多くなったように感じてなかなか嬉しい。Loveでは椅子に座って歌うアクションや、立ち上がり花道からセンターに集合するまでの動きがとても雰囲気良く見応えもあったのだが、いかんせん現場でもそれぞれが広いドームで遠く散らばっていたため結果的に一人しか見られず、映像化されたものでも一方向からしか映されていない部分が多かった。そのためメンバーそれぞれの動きをもっと見たいとフラストレーションが溜まってしまったのが、今回はメインステージ側に全員の見せ場を集めることでかなり解消された形になっていると思った。欲を言えばひとりずつスポットライトで着替えの前にソロダンスの見せ場が欲しかったー。
後半メインステージに集まり軽くダンス。二宮ソロからここまでは本当に洒落たミュージカルや映画のよう。ジャニーズイズムで言えば源流はプレイゾーンのカテゴリーでしょうか?
 
10.マスカレード
嵐版少年隊仮面舞踏会キターーー。スーツと同じ青に白い模様の入った派手なハットをかぶり、華麗な船山基紀編曲に乗せたこれでもかこれでもかという感じの少年隊及び80年代歌謡曲ワールドが繰り広げられる。プレイゾーンのショータイムですか?イン・ザ・ルームのアーバンで伏し目な感じとはガラッと変わり、派手に派手に。プラスチックのアクセサリーのように無意味でキラキラした歌詞と振り付け。アイウオンチュッベェイビ、アイニーヂュベェイビ、マスカーレェイド!とカタカナ英語を空虚なリズミカルさで畳み掛けるヴォーカルの職人芸、CDで聞いた時から嵐すごいアイドル巧者!青臭さの全くない老練なアイドルイズム!嵐ここまで来たかと感服する思いだったがステージでもそれは生きていた。
衣装の青いスーツはこっちに寄せてゴテゴテ王子様風なので、ちょっとイン・ザ・ルームには合わなかったかなー。振り付けは大野智。スタンドマイクでくるくるまわり膝をつき踊りザ・昔のアイドルワールド全開。途中マイクスタンドを片付ける場面もダンスになっていて、ジュニアがステージでメインになるのだが、Jr.の方がすっきりしたジレ姿でスマートなのが笑えて嬉しくなってしまった。なんかゴテゴテした衣装が羞恥とかでなく貫禄につながるおじさんアイドルに嵐もなったんだなーと、じじ専としては感慨深かった。
最後には懐からスキットルを取り出しぐいと口に含んだ水(ウイスキーのつもり?)をぶーっと吹き出す。これはジャニーさんの憧れの君、沢田研二の「カサブランカ・ダンディ(1979)」のオマージュ?船山基紀が編曲した沢田研二の代表曲には「嵐にしやがれ」とネタを同じくする「勝手にしやがれ(1977)」がありこの曲はそれにも似てるよね。時系列でいうと、ゴダールの映画→勝手にしやがれ→船山編曲・沢田研二(そういえばジュリーはかつてフランスでもデビューしていました)→船山編曲・少年隊ABC→ABCをサンプリングしたa Day in Our Life→嵐にしやがれ→船山編曲・によるマスカレードにおいて酒吹き出し、となる。
これで船山基紀にもジュリーにも少年隊にも(ついでにゴダール、ボギーにも)オマージュを捧げることができました。ってこと? しかし大野氏どんな資料を参考にどういう顔してこの振り付け作ったのか興味深々。(水ブーっは皆が嫌がると思って振り付けた言ってますがジャニーズの憧れジュリー様なら皆真似するよ…ね?)
 
11.Happiness 
12.ハダシの未来
13.GUTS ! 
ハダシは音頭版ではなかった。ここまでフロートで外周お手振り。今回このフロートがとてもシック。全体が赤と黒の漆ぬりの寄木箱のようになっていてJaponismと文字が入っただけ。フロートというと満艦飾の電飾チカチカなファンシーなイメージだったのでこの落ち着いたデザインは好感。全体的に今ツアーはメルヘンちっくなファンタジー要素がなく自分はそこが合っていた。フリフラ制御のペンライトもギラギラしておらず暖かいぼんぼりのような色でよかった。
 
14.愛を叫べ
これもまた懐かしダンスのミクスチュアー。グリースなでつけありサタデーナイトフィーバーあり和製ソウルダンス風ありで、結構客席には中年男性もいらっしゃったので懐かしく楽しんだのでは。
 
MCを挟んで後半へ。
 
(後編へ続く)
11/19 沢田研二が口から水を吹く曲はカサブランカダンディーでした、訂正しました。申し訳ありません。
勝手にしやがれ」ではハットを投げるパフォーマンスがあります。